自分の経験を反面教師にした子育て

東京都在住の40代の男性です。仕事は会社員で妻と2人の子供(11歳長女と7歳長男)がいます。妻も仕事をしているので共働き夫婦として現在に至ります。
子育ての対応は、典型的な共働き夫婦のように妻と二人で役割分担して行いました。妻の仕事は看護職であることから就業時間もシフト制でした。朝早い時や夜遅い時があるので、子供の保育園の送り迎えの大半は、就業時間が固定されている仕事をする私が担当しました。

朝は早起きして洗濯や身支度を済ませると、子供達を起こします。起きた子供達に洋服を渡して着替えを補助したり、オムツを交換したりと、やることが山積です。朝食を作り終えた妻が早朝勤務の場合は、そのまま出勤してしまいます。残った私が二人の子供に朝食を食べさせます。ただ、食べるスピードがやはり小さな子供なので非常にスローで時間がどんどん過ぎていきます。朝食を食べ終えると歯磨きをしたりして出発します。

登園する時も歩くスピードが早くは無いので、子供の歩く速度に合わせながらも時間を見つつ急かしたりしました。私も電車に乗って通勤するので、さすがに時間が迫ってくると心の中がイライラしてきて、それをコントロールできずに感情的になり「早く!歩いて!」や「パパは電車に乗り遅れるから、このままだと置いていくよ!」などの言葉を子供に浴びさせてしまったことも何度もありました。

子供を保育園に送り届けると、駅に向かいますが、イライラして感情的な言葉を子供にぶつけてしまったという事実を思い出し、後ろめたい気持ちを抱いたまま仕事場に向かった時も何度もありました。そのような時は帰宅したら優しく子供に接しようと心掛けて、保育園の迎えの時から気持ちを切り替えて接していました。
このような慌ただしい子育ての日々でしたので毎日があっという間に過ぎていくのは本当に実感することができました。しかし、忙しいながらも子供を自分の手で育てているという強い満足感を得ることができましたし、子供に愛着を持つこともできました。

このように出来たのも、自分自身の経験にあります。私の親は父親が会社員で母親は専業主婦でした。仕事に忙しい父は平日は深夜帰りで朝も早く出勤、土曜も半日仕事があり休みは日曜だけという昭和のサラリーマンでした。幼少期の時間の大半は母と過ごし、父とご飯を一緒に食べたり遊んだという記憶はほとんどありませんでした。唯一、記憶に残っているのはキャッチボールを日曜の午後に父と二人、近所の公園で行ったことです。

このような経験から、子供が生まれたら自分自身は絶対に積極的に子育てに取り組もうと決心していました。休みもしっかり取得できる会社なので、休日は朝から近所の公園に行って遊具遊びや鬼ごっこを子供と一緒になって笑顔で遊びました。そして、家族旅行も色々な場所に出掛けました。これも、
子供の時に仕事で忙しかった父なので、家族旅行にはあまり行けなかったこともあり、自分の子供にも出来る限り一緒に旅行しようと思ったからです。
幸い、妻の出身が新潟県で実家は越後湯沢という山に囲まれた自然豊かで風光明媚な場所なので、年に複数回、子供を連れて帰省しました。夏は綺麗な川に入り魚の掴み取りをしたり、自宅周りではトンボやカエルがいるので子供と一緒に虫取り網で捕まえました。子供に体験させたことで、感受性が豊かな子供に育ってくれたと実感し、本当に小さい時に自然と触れ合いさせることをして良かったと思いっています。
子供が保育園から小学校に上がると、子育ての手は掛からなくなりましたが、それでも朝寝坊を起こしたり、歯磨きの仕上げをしたりとまだまだ手を焼かされています。

小学校や中学校の同窓会でかつての友人達と再会して、子どもの事や子育てについて話し合う機会が多々ありますが、自分の子育て経験を話すと大半は驚かれます。理由は、友人のほとんどは、日々の仕事に追われ子育ては妻に任せっきりという事実でした。なので、仕事より子育てに人生の時間を使っている私は異質に思われたのかもしれません。

それでも、私は取り組んだ子育てに後悔は一切ありません。ここまで子育てができたのも、自分の幼少期の経験が反面教師となってくれたからこそ子供と同じ立ち位置や目線に立って歩いてくることができたと思います。

子育てから得たメリットもありました。それは、仕事では得ることのできない他人を思う寛容性です。仕事でイライラすると部下に対して感情的に叱ったりしていましたが、子育てを経験したことにより、仕事でミスした部下に対する接し方も変化しました。いきなり叱るのではなく、その原因を聞きつつ次に向けた改善方法を一緒に話し合い実行することができました。一歩距離を取って、自分の子供と同じく寛容の精神を持って部下や他人に接することで、良い方向に導くことができるというスキルを学ぶことができまし、それが私の仕事においても生かされています。

子育てには正解は無く、人それぞれです。だから、自分の思い描く子育てを実践できる醍醐味があると思います。これからも、子育てできる残りの期間は全力で子供に接していきたいと思います。

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